腰痛は、年齢とともに起こる筋肉の衰えと深く関係しています。若い頃は柔軟に動いていた筋肉も、年を重ねるに連れて次第に動かなくなっていきます。その固くなってしまった筋肉を無理やり動かそうとしたときに、腰痛の症状が出やすくなるのです。
腰痛にはさまざまな種類がありますが、主に4つのタイプに分けられます。そこで今回は、腰痛のタイプとその改善方法についてご紹介していきます。
あなたはどのタイプ?
腰痛には、腰椎椎間板ヘルニアのような手術の必要な腰痛と、筋筋膜性腰痛のような手術不要な腰痛の2種類があります。今回は、後者の中で主な4つのタイプの特徴を見ていきます。
筋筋膜性腰痛
筋筋膜性腰痛とは、筋肉に負担がかかりすぎることで発症します。筋肉の動かしすぎで炎症を起こしてしまっている状態ですが、レントゲンでは異常なしと判断され、特定ができないことも少なくありません。
いわゆる筋肉痛といわれるもので、激しい運動のしすぎや重労働、ずっと同じ姿勢で作業するデスクワークなど、特定の筋肉に集中的に負荷がかかると発症します。そのため、痛みのある場所をもみほぐすことで改善されます。
椎間板性腰痛
椎間板性腰痛は、前かがみの姿勢になったときに痛みが出ます。背骨の椎骨間部分にある「椎間板」に負担がかかり、発症してしまうのです。
猫背の人や姿勢の悪い人、デスクワークの方やタクシーの運転手などに多く見られます。また、不用意に重たい荷物を持ち上げたり、無理に腰をひねったりしたことが原因で痛みが出ることもあります。
椎間関節性腰痛
椎間関節性腰痛は、腰をのけぞらした際に痛みを感じるものです。また、腰だけではなく背中全体にも痛みが広がっていくのが特徴です。特に、腹筋が弱く、反り腰になりやすい女性に多く見られます。
反り腰の状態が続くと、常に背中の筋肉が骨盤の方に引っ張られて緊張状態となり、次第に固まっていきます。その結果、椎間関節性腰痛に発展してしまうようになりますので、反り腰の方は注意するようにしましょう。
仙腸関節性腰痛
仙腸関節性腰痛は、お尻の近くにある仙骨周辺の歪み、または炎症によって引き起こされます。一般的に産後の妊婦さんに多く出る症状だといわれていますが、誰でもかかる可能性がある症状です。仙骨周辺の痛みが中心ですが、お尻や鼠径部などにも痛みを感じる場合があります。
腰痛のタイプによって改善方法はさまざまですが、すべての腰痛のタイプに共通する原因は、筋肉が固まってしまっているという点です。
腰周りの簡単ストレッチと適度な運動で腰痛を改善!
固まってしまった筋肉をほぐすことが腰痛の改善には必要です。筋肉をほぐした後は、筋力が低下している部分を鍛えることも忘れずにやっていきましょう。
腰周辺の筋肉をほぐす
まずは、腰周辺の筋肉からほぐしていきましょう。
- 膝くらいの高さの台を準備する。
- 台より1歩後ろ側に立ち、右足を台の上にかかとまで乗せる。
- ゆっくりと膝を曲げて、身体を前方へ移動させていく。
- 左足のかかとが浮かないところでストップし、20秒キープする。
- 元の状態に戻って、反対側も同じように行う。
このストレッチをすることで、太ももの筋肉と股関節の筋肉がほぐれます。ほかにも、太ももや股関節のストレッチ方法はたくさんありますので、自分に合ったストレッチ方法を見つけてみましょう。
腹筋を鍛える
次に、椎間関節性腰痛でお悩みの方は、腹筋を鍛えましょう。
- あお向けの状態で横になり、膝を曲げる。
- 息をゆっくり吸いながら、お腹を膨らませる。
- ゆっくり息を吐きながら、お腹をへこませていき、これを10回程度繰り返す。
最初にお腹を膨らませる感覚を覚えることができれば、立った状態や座った状態でも鍛えることができます。
背筋を鍛える
最後に、椎間板性腰痛でお悩みの方に、手軽に背筋を鍛える方法をご紹介します。
- あお向けの状態で横になり、膝を曲げて両手は手のひらを床につけ、身体の横に伸ばしていく。
- 首から膝までが一直線になるようにお尻を持ち上げ、そのまま20秒キープする。
きちんと背筋が鍛えられているか、ほかのところに変な負荷がかかっていないかどうかを確認しながら伸ばしていきましょう。ストレッチや運動をする際は、痛みのあるところに負荷をかけないように意識することも重要です。少しでも痛みを感じた場合、決して無理はしないようにしてください。
まとめ
今回は4つの腰痛の種類と、簡単にできる腰痛の改善方法について解説しました。国民病ともいわれる腰痛ですが、現在も解明されていない部分が多くあります。今回ご紹介した4つのタイプの中に当てはまるものがございましたら、一度ストレッチなどを行ってみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した改善方法をためしても効き目がないと感じた場合は、まる整骨院までお気軽にご相談ください。痛みの対処法だけでなく、根本的な解決方法を一緒に考えていきましょう。